”古民家”って、いつ頃建てられた住まい?、何年経った建物を言うの?とお客様からよく聞かれることがあります。 ”古民家”という言葉は最近ではよく使われるようになりましたので、少なくとも”古民家”いう単語自体はご存知の方は結構いらっしゃると思います。 でも、”古民家”という造語の定義についてお分かりになる方はなかなかいません。 ”古民家”の定義は登録有形文化財制度に合わせ、築50年以上経過した建物で木造軸組構法の伝統構法または在来工法で造られた住宅とする、と全国古民家再生協会で統一した考え方として使われております。 昭和25年に制定された日本で最初の建築基準法には”古民家”という言葉は記載がなく、現在の建築基準法に至っても、古民家の基準その他の法律もないのが現状です。そんな中で私たちは建築基準法の除外規定にて伝統構法で造られた建物独自の診断および改修方法を確立して、古民家の維持、保全そして有効活用が出来るように日々、建築士の資格を持った会員が活動推進しています。
この山形の地にも四季折々の自然に育まれてきた、そして先人たちから受け継がれたすばらしい文化と古民家が、今も大切に残されています。 その一方で幾世代にわたり、住まい手と永年苦楽を共にしてきた民家が残念ながら、現代の生活様式等の目まぐるしい変化の中で、取り壊されたり、空き家として風雪にさらされ、ぼろぼろの状態で放置されたりしています。 私たちはそんな姿を見ていると先人たちが大切に守ってきたものが、次から次へとなくなってしまうことに何とも悲しい想いでいっぱいになります。
私たち、日本伝統再築士会山形支部はこのような現状を見過ごすことなく、古民家をこよなく愛する皆様の良きアドバイザー、ホームドクターとして、地域に貢献したいと考えております。
古民家の維持方法で困っていらっしゃる皆様、そして有効活用出来たらとお考えの皆様、これからも永く住み続けたいけれども、地震等に対して不安だと感じていらっしゃる皆様、私たちになんなりとお気軽にご相談下されば幸いと存じます。
先人たちの知恵を学び、未来の子供たちの為に、この古民家という大切なものを通じて社会に貢献することが私たちの使命であると考えております。
一般社団法人日本伝統再築士会山形支部 支部長 菊地 久夫